「NO.1左腕」白鴎大・曽谷龍平の肩甲骨の可動域は工藤公康を想起させる
誰かが、こんなメカニズムの投球フォームで投げていたぞ……。そうだ、現役当時の工藤公康投手(前ソフトバンク監督)だ。2月のキャンプのブルペンで、ちょうどこんなリズムで投げ込んでいたっけ……。
タイミングがとりにくい上に、150キロ近い快速球と140キロ前後のカットボールが打者の懐を突き、スライダー、チェンジアップにスプリットが、ストライクゾーンからボールゾーンの低さにひそやかに沈む。
打ちにくい上に、えげつない球威。そうでなくても有力サウスポーの少ない今年だ……。オリックスが1位指名を公言した。10年来の左腕不足に悩むロッテなどは、おそらく飛びつくだろうし、ヤクルトだって、チーム事情を考えたら「イの一番」でも、ぜんぜんおかしくない。
気になるとすれば、涼しい顔で9イニング投げ通す心身の持久力か。スケール、球威、身体能力、将来性、これまでの実績に自らの「投」に対する心がけ……2022年ドラフト候補でナンバーワンのサウスポーであることは間違いない。
▽曽谷龍平(そたに・りゅうへい) 奈良県出身。明桜高(秋田)を経て白鴎大入り。183センチ、79キロ。左投げ左打ち。