“イス取りゲーム”と化した2022年ドラフト戦線…7球団が「1位指名」異例公表の内幕
「今年は19年の佐々木朗希(ロッテ)や、20年の佐藤輝明(阪神)のように飛び抜けた存在がいませんからね」
18日に楽天が荘司康誠投手(立教大)の1位指名を公にした。これで7球団がドラフト前に1位指名を公表。極めて異例の事態となっている今年のドラフト戦線に関してこう言うのはセ・リーグのスカウトだ。
20日のドラフトで巨人が浅野翔吾外野手(高松商高)、広島が斉藤優汰投手(苫小牧中央高)、オリックスが曽谷龍平投手(白鴎大)、ソフトバンクがイヒネ・イツア内野手(誉高)、西武が蛭間拓哉外野手(早稲田大)、日本ハムが矢沢宏太投手(日体大)をそれぞれ1位で指名すると公にした理由は、もちろんそれだけじゃない。冒頭のスカウトが続ける。
「しかもウチが事前のスカウト会議で1位候補をピックアップしても、12人に満たなかった。そのピックアップされた連中にしても、キズがないわけじゃない。投手は細かい制球がないとか、野手にしても性格上、クビを傾げたくなる部分があるといった具合で、逸材が少ないゆえに押し出された1位という選手が多いのです。なので限られた人数の1位候補を確保しようと思ったら、さっさと1位を公表して、できれば一本釣りに持ち込もうとの計算が働いた。もちろん指名が重複する可能性はありますけど、リスク覚悟で他球団をけん制しているのです」
限られた1位候補をいち早くモノにする「イス取りゲーム」の様相を呈しているというのだ。