蝉川泰果は「ウッズのような選手」になれるか? 95年ぶりアマ日本OP制覇のスケールと将来性
■名前の「泰果」は絶頂期のタイガー・ウッズから
名前の泰果は、ゴルフ好きの父親が海外でも通用する英語の名前で、しかも絶頂期だったタイガー・ウッズに由来する。海外で戦うための路線は生まれた時から敷かれていたのだ。
蝉川は175センチ、77キロの体格から300ヤード以上も飛ばすドライバー飛距離が魅力だ。コースマネジメントは刻みではなく、どんなに難しいレイアウトでも果敢に飛ばして攻めていく。飛距離のアドバンテージは大きく、この日は蝉川の後にティーショットを打つ比嘉が、圧倒的な飛距離を見せられたプレッシャーなのか、ドライバーショットを曲げるシーンが何度かあったほどだ。
「蝉川はパワーヒッターにありがちな左へのミスが少ないスイングです」と小暮博則プロが解説する。
「バックスイングでは両手を伸ばしてフェースを閉じながらインサイドに上げており、高く上げたトップではシャフトが飛球線とクロスします。ただ、シャットに上げながら、トップからの切り返しやダウンスイング、インパクトにかけて強烈な左腰リードでドライバーを振り下ろすことでフェースはスクエアに戻っており、左へのミスを気にせずに振り切ることができる。大きな円弧を描くスイングなのでヘッドが走ってボールは飛び、そのうえ、引っかけのミスを心配しなくてもいい完成度の高いスイングだといえます」