人的補償逃れ、支配下枠確保…プロ野球界に「高年俸の育成選手」氾濫のバカバカしさ
どこもかしこも制度の悪用乱用である。
昨15日、オリックスは昨季のドラ1新人椋木(22)と5年目の富山(25)と育成契約を結んだことを発表。さらに同日、中日も岩崎(33)と育成契約を交わした。
いずれも投手で今年、トミー・ジョン手術を行っている。この手術は実戦復帰まで1年以上かかるから、当然、彼らは来季の戦力にはならない。今後の補強を視野に入れて支配下枠を空け、なおかつ彼らをFAの人的補償の対象外にしたい思惑もあるのだろうが、育成契約とは噴飯ものだ。
富山と岩崎はこの日の契約更改で大幅ダウンも、年俸3150万円と2800万円。椋木に至っては現状維持の1600万円。なにが育成選手だ、ではないか。
育成契約はプロ野球の門戸を広げ、幅広い才能を集めるべく作られた制度だ。それが年俸2億円の梶谷(34)を育成選手にした巨人を始め、本来の趣旨から外れた“悪用”が絶えない。
球界は育成制度そのものにメスを入れる時期に来たのではないか。