森友哉の人的補償で西武入り 前オリ速球派右腕・張奕を生かすも殺すもキャッチャー次第
「捕手のリード次第では化ける」
オリックスの球団OBがこう話すのが、昨15日、オリックスにFA移籍した森の人的補償で西武が獲得した速球派リリーフ右腕の張奕(28)だ。
台湾出身。福岡第一、日本経済大を経て2016年育成ドラフト1位でオリックスに入団した。当初は外野手だったが、ファームで打率1割以下と大苦戦。強肩を見込まれ、プロ入り後に投手に転向した変わり種だ。台湾代表として出場した19年のプレミア12ではベネズエラ、韓国戦で先発し、2試合無失点。先発部門で大会ベストナインに選ばれた。
元日本ハムの陽鋼岱を従兄に持つ張奕は「びっくりしましたが、ライオンズで活躍することが恩返しになると思う」と、コメント。今季はリリーフとして防御率2.38も8月7日以降は一軍で投げられず、15試合の登板にとどまった。
冒頭のOBは「チーム事情もあった」と、こう続ける。
「今季は宇田川や阿部など、リリーフ陣の新戦力が台頭。8月以降は優勝争いが佳境になるので、一軍首脳陣は対戦相手がデータを持ってない彼らを優先して起用した経緯がある。もし、宇田川らがケガをしたら張奕を使うプランもあったそうです。張奕にとってある意味ネックだったのが、捕手のリードです。オリックスの捕手陣は総じて直球勝負が好き。張奕は直球の平均球速150キロの速球派だが、打者の手元ですっと伸びるタイプではなく、最初からズドン!と来る。しかもそれなりに制球力もあるので、配球を読まれて打たれることが多かった。球団が変われば捕手のリードも変わるので、そこは期待できる」
セットアッパーの平良の先発転向で、中継ぎが手薄になる西武。張奕は思わぬ「宝物」になるかもしれない。