宇野昌磨が世界フィギュアの選考に苦言…「総合的判断」残る日本スポーツ界のアンフェア
この「総合的」という曖昧な選考基準は、他のさまざまな競技でも物議を醸してきた。スポーツライターの小林信也氏は言う。
「『総合的に判断』という選考基準を残している競技は少なくなっています。バドミントンは世界ランキング、過去に『総合的判断』という曖昧な基準でしばしばモメたマラソンはMGCという一発勝負に近い選考会を設けた。選手選考に『総合的判断』という選択肢を持たせると、団体が選手を支配する関係も生まれやすい。ある競技の合宿では成績の伸びない選手に『そんな練習だと代表に選んでやらないぞ』というパワハラに近い発言も聞きました」
特に五輪の代表選考に関わる大会になると、この曖昧な基準はモメにモメる。すべての競技を世界ランクもしくは一発選考にすべきではないか。
「もし、優秀な選考委員がいるのであれば、一発勝負ではなく逸材を抜擢して結果を出す方法もあると思います。ただ、そういう人材がいない場合、不正が起こる可能性がある。特に最近はプロ化が進んでいるため、曖昧な基準によって損害を受ける選手も増えてきている。誰もが納得できる形で選考するならば一発勝負がフェアで妥当かなと思います」とは小林氏だ。