“崖っぷち”巨人・原監督「今年がラストイヤー」の真偽…狙うはGMか、2人目の終身監督か?
コーチ6人に責任を取らせ
21年オフ、原監督の契約を延長した理由について山口オーナーは「原監督には選手を育てながら勝って欲しい。指導者も育てて欲しいとお願いしている」と力説していた。それなのに、育てないといけないはずの6人のコーチが責任を取り、自身は涼しい顔をしている。これでは、苦情の電話が殺到するのも無理はないのではないか。
その山口オーナーは昨オフ、指揮官の退任説も出ていた中で「(原監督が)『このままでは終われない』と強い意欲を見せていた」と明かしている。かねて「一人の人間が組織を長く率いると硬直化するから、必ずしもいいことではない」との持論を語りながら、監督の座にとどまろうとするのは、当然理由があるということだ。前出の関係者がこう続ける。
「原監督は先の箱根駅伝に勝って大学3冠で勇退し、総監督に退く駒大・大八木監督のように、日本一になって監督の座を禅譲すること。そして、契約最終年の24年以降は今は不在のGMとして阿部慎之助、もしくは高橋由伸新政権に影響力を残しながら、院政を敷きたいのです」
ずいぶん自分勝手な話だが、ここ2年は惨敗に終わっており、投打でチームをガタガタにしてしまった原監督が、24年以降もGMとして影響力を残すためには、多くの「条件」があると、さるチーム関係者がこう言った。
「もちろん、GM就任は球団的に既定路線ではありません。まずは3年ぶりにリーグ優勝を果たした上で、12年から球団史上最長ブランクとなっている日本一を奪回できるか。さらに次世代の若手を育てながら、次の監督やコーチ陣も育成することが求められている。はっきり言って高いハードルだけど、だからこそベテランの原監督は、長くその座にいられるのです」
一方で今季またも惨敗するようなら、通算17年目でついに原政権は終焉を迎えそうだという。
「そうなった場合、契約が残る来季は長嶋茂雄氏に続く2人目の終身名誉監督やSD(シニアディレクター)、SA(シニアアドバイザー)といった名誉職をあてがわれ、お役御免となる可能性が高いともっぱらです」(前出の球界関係者)
実際、山口オーナーは昨オフ、「契約は契約だけど勝負の世界。契約を優先して大事なこと(監督人事)が全て決まっていくものではない。そこは私も監督もそういう理解」と明言している。いずれにせよ、監督としては今年限り。勝てば影響力を残せるが、負ければ球団を去ることになる。23年の巨人は、ガケっぷちの原采配に振り回されるシーズンになりそうである。