著者のコラム一覧
太刀川正樹ジャーナリスト

1946年、東京生まれ。国際ジャーナリスト。早稲田大学教育学部英文科在学中、韓国国立ソウル大学語学研究所へ留学、韓国語を学ぶ。講談社の日本語版「ペントハウス」ニューヨーク特派員などを経験。著書・訳書に「政権交代」「平壌十五号官邸の抜け穴」「オリンピック30年」など。

【He got him.】三振に仕留めた! WBCでも絶叫するであろうフレーズ

公開日: 更新日:

 直訳すると、「彼は彼を手に入れた」とヘンテコな表現だが、最初の「he」は大谷翔平のこと。後の「him」は相手打者のことで、シーズン中に大谷が三振を奪った時にアナウンサーが幾度となく叫んだフレーズだ。「Got him」と叫ぶこともある。3月のWBCで米国のアナウンサーが大谷やダルビッシュが三振をとるたびに絶叫することになるであろうフレーズだ。

「got him」は過去形で「get him」が現在形。「彼を捕まえろ!」「やっつけろ!」「見つけたぞ!」の意味もある。「You got that!」といえば、「わかったか!」。 

“got”で思い出すのが江夏豊投手だ。1985年、西武ライオンズを退団して、米国アリゾナ州サンシティーで行われたミルウォーキー・ブルワーズの入団テストを取材した時のこと。グラウンドで江夏に、「覚えている英語はありますか?」と聞くと、ぶっきらぼうに「I got it(俺が捕る)とtake it(おまえが捕ってくれ)の2つだ」とまぶしい空を見ながら答えてくれた。

 泊まっていたモーテルの部屋を訪ねると、窓際にたくさんのカセットテープが並べられていて、海援隊の「思えば遠くへ来たもんだ」が流れていた。野茂英雄の大リーグ入りが95年。トルネードが全米を席巻する10年前のことになる。

 日本が誇る左腕に球団側はマイナー契約を提示したが、江夏はマイナーからのスタートはきついと帰国した。大リーグに在籍した日本人の中に「江夏豊」の名前はない。最初に大リーガーになった日本人は64年から65年までサンフランシスコ・ジャイアンツに在籍した投手の村上雅則である。

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