(3)データを収集して分かった日本代表のPK対策 そして森保監督続投の理由
■ボールを蹴るまでの時間
──12月にはパラグアイに遠征したU─16、茨城の大会に出たU─18の両代表にPK戦の導入を働きかけました。
「U─18(の監督)にはデータに基づいて『3秒以上かけて蹴りなさい』と選手たちに指示してもらった。なぜ3秒は外しやすいか? GKというのは、主審の笛を聞いてから『ワン(1秒)・ツー(2秒)・スリー(3秒)』のタイミングで止めに行くからです。(時間をかけて)5秒以上だと『いつ蹴る?』『どっち?』とGKが迷うので時間をかけた方がいいってことなのでしょう。それでもU─18は勝てなかった。PKの難しいところですね。その後、高校サッカー選手権を見ていたら、GKが必ずと言っていいほど、ペナルティースポットの前に立ちはだかり、審判から『下がってください』と言われていた。それは(相手キッカーよりも)自分を大きく見せるためのアクション。高校生たちでも、そういった駆け引きをしている。日本中の知見を合わせ、良い方向に導いていくことがこれまで以上に必要だと思います」
■勝つために理にかなった戦術