藤田宗一(1)イチローが第2R米国戦前に飛ばしたゲキの効果「僕が1打席目に本塁打を打つ」
藤田宗一(2006年大会出場/現マリーンズ・ベースボールアカデミー テクニカルコーチ)
「当時はどんな大会かも分からず、何をしに行くんだろうと……」
2006年の第1回大会に出場した藤田宗一氏(50)がこう振り返る。
今でこそ多くのプロ野球選手が「出たい」と憧れるWBCだが、創設された17年前は、世界一決定戦には程遠かった。
「日本代表のスーツもなく、僕はジーパンで米国に出発した。一度は参加を断ったし、野球をするとはいえ、旅行に行くくらいの感覚でした。今呼ばれたら、もちろん喜んで行きますよ(笑)」
そんな中、投手の大塚晶文(レンジャーズ)とともに現役メジャーリーガーとして参戦したイチロー(マリナーズ)の熱量は凄まじかった。
大会前の会見で「(韓国には)向こう30年、日本に手は出せないな、という感じで勝ちたい」と発言。韓国側はこれを挑発だと受け止め、対戦時はイチローの名前がコールされるたび、球場内にブーイングの嵐が起きた。
2次ラウンドで日本に勝った際には、マウンドに太極旗を突き刺し、世界をザワつかせた。