山下一貴が歴代3位で東京マラソン7位…日本人2人が2時間5分台でも世界の壁はまだ厚い
途中まで、アレ!? と思わせる展開だった。
国内の主要マラソンは、ペースメーカー(PM)が30キロで外れると外国人選手がペースを上げ、先頭集団についていた日本勢は置いていかれるのが常である。
今回は違った。30キロを過ぎても外国勢は前に出ず、井上大仁(30)が先頭に立つ。途中から三菱重工のチームメートである山下一貴(25)が井上に並ぶ。今大会の優勝賞金は1100万円と高額だ。記録(世界記録3000万円)よりトップ狙いの外国勢6人は日本人選手の後ろでスタミナを温存。残り5キロを切ったところで一斉にペースアップすると、やはり日本勢は置いてけぼりになった。
■瀬古利彦氏は正論も
優勝はエチオピアのD・ゲルミサ。時計は2時間5分22秒。日本人最高位は山下の7位で、時計は日本歴代3位の2時間5分51秒。8位の其田健也(29)も2時間6分を切った(2時間5分59秒)が、日本陸連のマラソン強化戦略プロジェクトリーダーの瀬古利彦氏は不満顔で「一応の成果はあったんじゃないか」と言いつつも、「力がないと言えば、ない。外国人選手の先頭集団についていけないと世界の壁は乗り越えていけないんじゃないか」と言った。