米FOXスポーツが儲けの少ないWBCを中継した理由 背景に大リーグ機構との長期放映権契約
一方、かつて「視聴率は0%台」などといわれ、人々の関心がなかった米国はどうだろうか。
日本との決勝戦は過去最高の視聴者数を記録した。この試合は、米国4大ネットワークの一つFOX傘下のスポーツ専門チャンネルFS1、スペイン語チャンネルFOXデポルテス、そしてFOXスポーツのストリーミング配信で中継され、合計平均視聴者数は約520万人だった。
しかし、地上波で放送された日本の状況を考えれば、スポーツ専門局のみの中継となった米国では、依然としてWBCを取り巻く環境が厳しいことをうかがわせる。
しかも、日米両国とも今大会で視聴者数の記録を更新したとはいえ、その内容には開きがある。日本の新記録となった対韓国戦の視聴者数が約6234万人であったのに対し、米国の約520万人という数値は、日本の約8.3%にとどまっているのだ。
確かに、米国が優勝した前回大会の視聴者数を約69%上回るなど、大会の知名度は徐々に浸透している。それでも、ワールドシリーズやオールスター戦に比べればWBCは広告収入の点で見劣りすることは否めない。