著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大准教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部准教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

米FOXスポーツが儲けの少ないWBCを中継した理由 背景に大リーグ機構との長期放映権契約

公開日: 更新日:

 一方、かつて「視聴率は0%台」などといわれ、人々の関心がなかった米国はどうだろうか。

 日本との決勝戦は過去最高の視聴者数を記録した。この試合は、米国4大ネットワークの一つFOX傘下のスポーツ専門チャンネルFS1、スペイン語チャンネルFOXデポルテス、そしてFOXスポーツのストリーミング配信で中継され、合計平均視聴者数は約520万人だった。

 しかし、地上波で放送された日本の状況を考えれば、スポーツ専門局のみの中継となった米国では、依然としてWBCを取り巻く環境が厳しいことをうかがわせる。

 しかも、日米両国とも今大会で視聴者数の記録を更新したとはいえ、その内容には開きがある。日本の新記録となった対韓国戦の視聴者数が約6234万人であったのに対し、米国の約520万人という数値は、日本の約8.3%にとどまっているのだ。

 確かに、米国が優勝した前回大会の視聴者数を約69%上回るなど、大会の知名度は徐々に浸透している。それでも、ワールドシリーズやオールスター戦に比べればWBCは広告収入の点で見劣りすることは否めない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…