女子プロは難コースで戦ってこそ腕があがる ヤマハレディースは穴井詩がPO制しドタバタV
最終日の終盤は、穴井とささき、吉田優利(22)、石井理緒(23)、山下美夢有(21)の5人が一時は通算8アンダーで並ぶ大混戦になり、見ているファンにとっては最後まで目が離せない展開だった。
■女子プロには3本の指に入る難コース
これを演出したのはツアー屈指の難コースだ。
会場を設計したのは名匠・井上誠一。2年前の東京五輪会場の「霞ヶ関CC」や「日光CC」、「大洗GC」、「茨木CC」などの名門コースを手がけている井上氏は、自然の造形を活かす手法が特徴だ。
今回の葛城GCもそうだ。遠方に遠州灘を望み、美しい樹林に囲まれた雄大なコースは距離が長く、第1打で30ヤードも打ち下ろす16番(425ヤード・パー4)に象徴されるようにアップダウンもある。
「さらに17番(パー3)のように池とバンカーが巧みに配置されている。ドラマを生む18番(パー5)も飛ばし屋なら2打でグリーンを狙えますが、フェアウエーが左足下がりで打ちずらい。この日は前日とはうって変わり、名物の強風が吹き、午後からグリーンが乾いて硬くなった。ピンの上や横にはつけたくないので、ピン根元を狙えず、砲台グリーンの手前や横からのアプローチをミスしてスコアを崩す選手が多かった。葛城は女子プロにとってはツアーで3本の指に入る難コース。『ここでの4日間プレーはしんどいです』という声はよく聞きます」(ツアー関係者)
最終日は65人がプレーしてアンダーパーは12人だけ。17番でバーディーを取った選手はたったの4人。平均スコアは74.2462だったが、ボコボコとバーディーを奪い合う通常の大会より、頭と神経を使うコースで優勝を争ってこそ、女子プロも腕があがるというものだ。