カド番大関・貴景勝に相手力士“忖度の毒”が…稽古総見8勝3敗「四つ相撲勝ち」に潜むワナ
関脇霧馬山の大関とりが話題になっている大相撲5月場所。もうひとり、注目されているのが、カド番大関の貴景勝(26)だ。
先場所は左ヒザを痛めて途中休場し、3勝4敗8休。ケガも多く、カド番は前回の大関時代も含めると6回目である。
去る4日、3年ぶりに行われた稽古総見では8勝3敗。しかし、ケガの影響か、押しても押しきれず、反対に押し返される場面が目立った。さらに古傷の右ヒザを気にする場面も。負傷した左ヒザをかばっていたら、右ヒザに負担が……ということかもしれない。
親方のひとりは「見ていてため息が出た」と、こう続ける。
「貴景勝は押し相撲一本の力士。『組んだら幕下以下』だが、稽古総見では相手のまわしを掴み、寄り切る一番もあった。四つ相撲を磨いたかといえば、そうじゃない。明らかに相手が忖度して力を抜いていた。横綱大関は別格の存在。本場所の取組は別にして、稽古では彼らのメンツを潰さないように気を使うケースも多いんです。例えば昨年引退した、時津風部屋の豊山。出稽古に来た大関や横綱を自慢のパワーで吹っ飛ばし、兄弟子から『せっかくウチに来て、胸まで出してもらってるんだからさあ……』と、手加減するように苦言を呈されていた」