照ノ富士が分け与える「大いなる財産」…横綱が他一門の力士にも熱心に指導のナゼ
残された時間と土俵はあまりに少ない。
もっか4場所連続休場中の横綱照ノ富士(31)。ここ最近、話題になっているのが他の部屋に所属する力士への指導だ。
26日は時津風部屋に出稽古に赴き、居合わせた元大関コンビの朝乃山、正代と合計11番を取った。
朝乃山が「横綱にアドバイスしていただいたことができなかった」と話したように、照ノ富士は春巡業で他の力士らに助言を送っていた。同じ右四つの朝乃山には、まわしの切り方などを伝授。次の5月場所の結果次第では大関昇進もあり得る大栄翔にも、相手を押す角度や足運びなどをアドバイスした。
照ノ富士は両ヒザの爆弾に加え、持病の糖尿病も抱えている。今後、長く相撲を取れないことは、何より本人が理解している。だからこそ、同じ伊勢ケ浜部屋に所属する力士だけでなく、一門を越えて指導をしているのか。
角界OBが言う。
「もともと照ノ富士は面倒見が良いほう。よその力士への助言も、今に始まったことではない。横綱として昇進から2場所連続優勝を飾った2021年の11月場所の千秋楽後には、突き押しの阿炎に押し方などを助言。阿炎は翌22年1月場所で照ノ富士を破り、“恩返し”をした。おそらく、昇進したことで、高いところから角界全体を見渡せるようになったからこそ、アドバイスをする余裕も出てきたのではないか。逆に若い頃に同じことをやっても、『若いのに偉そうに』とか『まだ“顔”じゃねえよ』と言われる世界ですから」