加藤未唯“失格騒動”乗り越え全仏混合V 父親が明かす「辛苦の愛娘に送った3通のメッセージ」
人柄の良さは恩師も太鼓判を押す。その一方で、騒動直後の本人はひどく落ち込んでいたようだ。父の大貴さんがこう話す。
■ずっと泣いていた
「周囲の方から聞きましたが、その日はずっと泣き続けていたそうです。憔悴して食事が喉を通らず、夜も寝付けなかったとか。私はその翌日の夜に『お前は相手の失格を望むような選手になるなよ』とLINEでメッセージを送りました。決勝進出が決まった7日には、『一緒に失格処分を受けたスーチャディ選手(インドネシア)へのリスペクトを忘れちゃいけない』『アクシデントについて尋ねられても、相手選手を批判しちゃダメだよ』と。いずれも、『わかった』と返事が来ました」
大貴さんは京都にある江戸時代中期(1848年)に創業した造園会社「植彌加藤造園」と「京都造園建設業協会」の会長を務めている。
「娘には昔から精神面のアドバイスだけはしっかりしてきたつもりです。私はテニス未経験だから、その部分しか教えられませんでした。私もメンタルが強い方だと思います。そうじゃないと今の立場でやってられませんよ(笑)」(大貴さん)
加藤が失意の底から立ち直れたのは、父親譲りのメンタルの強さがあったからかもしれない。