加藤未唯“失格騒動”乗り越え全仏混合V 父親が明かす「辛苦の愛娘に送った3通のメッセージ」
「ここまで来るのはとてもチャレンジングなことでした。特に、この数日は精神的にも大変だった。関わってくれた皆さんに感謝しています」
8日、全仏オープン混合ダブルスで日本人史上3人目の優勝を果たした加藤未唯(28)はこう言ってほほ笑んだ。
さる4日の女子ダブルス3回戦でボールガールへの返球が頭に直撃して泣く騒動により失格。賞金約640万円とランキングポイントを没収された。しかし、加藤がこの処分に対して4大大会側に不服を申し立てると、多くのプロ仲間や著名人がこれを支持。世界中で加藤への同情論が巻き起こった。
2013年にツアーデビューを果たしたこの加藤、最高成績は17年全豪ダブルスベスト4。騒動がありながら、一足飛びでメジャー制覇を成し遂げたのだから立派だ。小、中学時代に加藤を指導したパブリックテニス宝ケ池の野中貴弘氏が言う。
「加藤はわざと球をぶつけるような選手じゃない。ウチに通っていた時から、後輩や初心者の相手をする時は、相手に花を持たせ、やる気を引き出すのが飛び抜けて上手でした。よく気が利く子で、遠征に行ったら土産をくれたりもした。多くの関係者が支持してくれているのは、加藤がプロの世界でもいい関係を築いてきたからこそでしょう」