壁にブチ当たる大谷翔平、先発4戦勝ち星なし…ダルビッシュの「頭脳と投球術」に活路あり
独自のスカウティングリポート
そんな大谷の参考になりそうなのが、今年のWBCで同じ釜の飯を食ったパドレス・ダルビッシュ有(36)の投球術ではないか。
先日、メジャー通算100勝をマークしたダルは昨季、2017年以来の2ケタ勝利となる16勝を挙げ、今年2月、36歳にして異例の6年契約を更新した。
「ダルの投球はメジャー屈指のデータ活用術によって支えられている。WBCの際は対戦相手に関し、トラッキングデータに自身の対戦経験を加味して自ら作成した『スカウティングリポート』を持参。ファイル数冊分に及ぶリポートは球種、コースごとの得手不得手、カウント別の打率などの特徴と傾向が詳細に記され、日本の世界一奪還に大いに貢献しました」(球界OB)
大谷とダルはタイプが違う。「パワー投手」の大谷に対し、ダルは「変化球投手」を自認するが、かといって大谷もデータを軽視しているわけではない。ベンチでiPadとにらめっこするのは日常茶飯事。「投手との勝負は打席に入る前に決まる」と話したこともある。
「対戦相手の特徴や傾向をより生かした投球が、投手・大谷の活路を見いだすかもしれません」とは、現地メディア関係者。
「大谷は5月のツインズ戦のように、変化球を駆使した投球もできる。ただ、自ら捕手にサインを出している上に、力で押したい気持ちも強いからか、あくまで自分が投げたいボールにこだわる傾向がある。今季、スプリットを多投する試合があったが、本人はその意図について、『投げたいと思ったので投げたという感じなので。その前まではスライダーを投げたかったから投げたという感じでしたし、それだけかなと思います』とニベもなかったですから」
二刀流で試合に出続ける以上、データを頭に叩き込む時間は限られるだろうが、ダルのアタマの使い方が参考になるかもしれない。