杉下茂さんを悼む 60歳で300ヤード、すべてにおいてスケールの大きい人だった
すべてにおいてスケールの大きな人だった
「現役時代はボールより重いものを持ったことがなかったよ」「本気で決めにいったフォークを打たれたのは長嶋だけ。川上(哲治)さんは打ったというけど、すっぽ抜けたときだけだったな」
いろいろなお話しを聞かせてもらったのも、いい思い出だ。
「何度か練習したけど、アルコールが体質的に合わない。じんましんが出ちゃうんだ」とお酒を飲まない杉下さんと酒席を共にしたことはなかったが、ゴルフは何度かご一緒した。私も腕に覚えがあったが、ティーショットで何度もオーバードライブされた。60歳になっても300ヤード近く飛ばされては、次元が違うと思うしかない。大正生まれ(14年)で身長180センチ超、手を比べれば指の長さも太さも私の1.5倍はあった。「これがフォークの神様」かと圧倒されたものだ。
すべてにおいてスケールの大きな人だった。杉さん、ありがとうございました。
(高橋善正/元巨人投手コーチ)