“見るも無残な”結果となった日本勢 ゴルフ界もマスコミも熱烈ファンもプロ選手をスポイルしている
欧米のゴルフコースに対する概念は「自然への挑戦」である。その起源は、自然の地形や気候、風土をそのまま取り入れたスコットランドのリンクスだ。そして英国の設計家たちが米国に渡り、リンクスの精神を取り入れてコース造りに着手してきた。
ペブルビーチGLはその象徴でもある。何年も先まで予約が埋まっているとはいえ、誰でもプレーできるパブリックコースだ。海岸に面し、目もくらむような断崖や、小さなグリーンを縦横に取り囲むバンカー群、ポアナ芝やキクユ芝が選手を苦しめ、おまけに吹き荒れる強風。だが、海外選手はそれが当たり前のように平然とプレーしていた。
米国で1920年代に活躍した著名なコース設計家、ロバート・ハンターにはこんな名言がある。
「ハザードはゴルフを劇的にする。ハザードのないゴルフは生命も魂もなく、単なる退屈なスポーツにすぎなくなる」
欧米のゴルフ観をよく物語る言葉だ。
だが日本のゴルフ場の大半はバブル期に乱造され、金儲けの手段として会員権が売られ、接待を目的として造られたため、ゴルフの本質を極める哲学がない。