著者のコラム一覧
永田洋光スポーツライター

出版社勤務を経てフリーになり、1988年度からラグビー記事を中心に執筆活動を続けて現在に至る。2007年「勝つことのみが善である 宿澤広朗全戦全勝の哲学」(ぴあ)でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。近著に近著に「明治大学ラグビー部 勇者の100年」(二見書房)などがある。

ジャパンは出足の鋭い防御を強みにしようともくろむが…キックの攻防に課題あり

公開日: 更新日:

 通常は、このボールを蹴り返し、キッキングゲームと呼ばれる蹴り合いに持ち込むが、ジャパンには長い距離を蹴り返せる選手が、松田力也、李承信といったSOを除けば、SOとFBを兼務する小倉順平と、フランスのクレルモンでFBを務めた松島幸太朗くらいしかいない。

 ここで蹴り合いに負ければ、次のプレーが自陣での相手ボールのラインアウトといったピンチに陥る可能性が高く、前に出る防御で相手にボールを蹴らせた(攻撃を放棄させた)効果がなくなってしまうのだ。

 蹴り合いのなかでは、ときには高くボールを蹴り上げて、相手に競り勝ってボールの再獲得を目指すコンテストキックと呼ばれるキックを使うこともある。

■立ちはだかる身長差

 だが、ここでも問題がある。代表候補のバックスでは最長身の山中亮平(188センチ)の名前が15日のメンバー発表ではなく、残る選手の身長はほとんどが180センチ前後。一方、イングランドやアルゼンチンは190センチ前後の選手がボールを取りにくる。この身長差が再獲得を難しくするのだ。

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