U18選外で花巻東・麟太郎の進路問題はこれからが本番…大学かプロか、双方の動向と思惑
甲子園準々決勝で敗れた花巻東の佐々木麟太郎(3年)。22日に発表されたU18日本代表メンバーは選外となり、10月の鹿児島国体に向けて調整を進めることになりそうだ。
注目の進路について麟太郎本人は「岩手に戻ってから決めると思います」と話し、父の佐々木洋監督らを交えて決定する方針。プロ入りか大学進学か、その決断に注目が集まる中、甲子園大会が終わったことで、双方に動きが見え始めた。
大学では、入学先の候補といわれていた早大への進学が暗礁に乗り上げているという。さる早大OBは「野球部のトップアスリート入試の枠は、ほぼ固まっている」と、こう続ける。
「野球部はトップアスリート枠が4枠割り当てられる。合格者は今夏甲子園出場校のバッテリーらが内定。麟太郎とともに『高校三羽ガラス』と言われた九州国際大付の佐俠史朗の入部もウワサされている。早大が麟太郎に関心を寄せていたのは間違いないが、進路の決断が後ろにズレ込んでいることが影響したようです。今後、9月に出願期間を迎えるスポーツ推薦入試を受けるかどうかでしょうが、事実上の無試験で、書類さえ出せば入学できる大学は山ほどあるだろうから、どうなんでしょうね……」
■腰引ける大学指導者
高校通算140本塁打の麟太郎はパワーがあってスイングスピードが速く、打者としての将来性を評価されている。あの大谷翔平の後輩で、佐々木監督の息子というサラブレッドでもある。スポーツ紙の1面を飾るほど注目度は高いだけに、大学からは引く手あまたである一方で、ある在阪の放送関係者は、「預かる方は大変ですよ」と、こう続ける。
「東京六大学の関係者から、『麟太郎が入学してくれれば話題になるし、能力的にも1年からレギュラーを取れる。4年後のプロ入りを見据えて、課題である守備、走塁に加え、体力面も鍛えていくわけですが、一番怖いのはケガです。高校時代は胸郭出口症候群の手術をし、背中や腰を痛めるなど故障が多い。打撃に関しても、大学野球のレベルで今以上の突っ込んだ指導は難しい』という声を聞いた。
欲しいのは欲しいけど、かといって4年間潰さず育てきることができるのか。不安を抱く大学指導者は少なくないでしょう。世間では『大学に進学して、じっくり鍛えたほうがいい』という声はありますが、むしろ、育成環境が整っているプロで下積みをしたほうがいいかもしれません」