日本ハムの「ドラフトと育成」が機能しないナゾ…オリは“本家”見習いパ3連覇目前なのに
「ウチもドラフトと育成でいくよ」
オリックスの福良GMは、2019年のシーズン中、編成部門の責任者に就任すると、旧知の日本ハム関係者にこう言ったそうだ。「ウチも」と言ったのは「ドラフトと育成」は日本ハムの基本方針だから。日本ハムの二軍監督やコーチを歴任した経験がある同GMは、そのチームづくりこそ理想と判断したのだろう。
オリックスはそれまで大金をつぎ込んではFA選手や新外国人を買いあさっていたものの、結果が伴わなかったのだ。
いまや山本と並ぶエース格の宮城(22)が19年のドラフト1位なら、同年2位の紅林(21)は正遊撃手に定着。翌20年ドラ1の山下(21)は今季9勝3敗、防御率1.61とブレークした。
彼らが主力に成長したオリックスがリーグ3連覇目前の一方で、ドラフトと育成の「本家」であるはずの日本ハムは2年連続最下位へまっしぐらだ。
「日本ハムはかつて、高校生を上位指名、大学生や社会人は下位で無名選手を狙っていた。即戦力と言われる大学生や社会人が人気になる傾向があるため、素質ある高校生を確実に獲得。若いうちから出場機会を与えて育てて、活発な新陳代謝を行ってきた。けれども、下位に低迷して図式が変わった。例えばオリックスが獲得した紅林や山下も上位指名候補に名前があったにもかかわらず、勝ちたい、新球場だからと、大学生や社会人を優先的に指名。彼らが即戦力になればまだしも、そうなっていないうえに、結果として高校生の逸材を逃すケースが多い。勝てないからと即戦力を指名してはアテが外れ、若手を抜擢しようにもタマがないという悪循環です」とは日本ハムOB。
12日、最下位の日本ハムは首位・オリックスに敗れ、その差は24ゲームと開いた。