ラグビーW杯 日本は難敵サモアに辛勝も「ボーナスPなし」の痛恨…決勝T進出の条件は?
ラグビーW杯プールD組の日本(世界ランキング13位)が、日本時間29日午前4時開始のサモア戦(同12位)に28ー22で勝利。終盤の猛追に耐え、なんとか逃げ切ったが、4トライ以上に与えられるボーナスポイントを逃したことが10月8日のアルゼンチンとの最終戦にどう影響するか。ラグビー取材歴30年以上のスポーツライター・永田洋光氏が、サモア戦の勝因とともに解説する。
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ジャパンが2大会連続ベスト8へ第一関門をクリアした。難敵サモアを28-22と破っての勝利。しかし、道は険しかった。
ジェイミー・ジョセフHCは、先発15人中11人を前回大会を経験したメンバーで固めた。試合直前にSH流大がメンバーから外れ、斎藤直人が入ったためにW杯未経験者は5人に増えたが、意図は明白。手堅くゲームを進めて主導権を握り、サモアの焦りを誘う。そして、終盤に若く攻撃的な選手を投入して一気に突き放すプランだった。
前半はもくろみ通りだった。
13分には、先発FBで起用したレメキ・ロマノ・ラヴァがサモアのディフェンダーを個人技で打ち破って大きく前進。FLピーター・ラブスカフニのトライに結びつけた。PGを加えた直後の32分には、スクラムから斎藤が走ってサモアの防御を引きつけ右に展開。最後は左へボールを動かしてFLリーチマイケルがトライを挙げ、SO松田力也がコンバージョンを決めて17-3と大きくリードした。
イングランド戦と同様に堀江翔太を先発HOに入れたスクラムは安定して2つのトライの起点になり、松田のキックも3回すべて成功とプラン通りの展開だ。
後半立ち上がりには、サモアの選手が危険なタックルで退場となり、人数的に優位に立ったジャパンが25-8と大きくリードした。だが、安心して見ていられたのはこのあたりまで。
数的不利に追い込まれたサモアは、強いランナーが力で前進し、2トライを返す。最後は守り切ってなんとか勝利を挙げたが、ジャパンは獲得できそうだったボーナスポイントを得られず、4ポイントの勝利に終わった。