「大谷翔平は最大の舞台でプレーしていない」 ヤンキースで世界一5度レジェンド発言の真意
「彼は大丈夫だと思うけど、わからない。ニューヨークは他の都市と少し違うからね」
ニューヨークはファンもメディアもシビア。活躍した選手に対しては惜しみなく称賛する一方で、不甲斐ない選手に対しては自軍の選手だろうとお構いなしに批判し、ブーイングを浴びせる。松井秀喜はヤンキース移籍1年目に「ゴロキング」と揶揄されたし、メジャー通算303勝でサイ・ヤング賞5度のランディ・ジョンソンはファンやメディアのやかましさに辟易してヤンキースからトレード志願、古巣のダイヤモンドバックスに移籍した。
ヤンキースで2009年ワールドシリーズMVPを獲得した松井は「自分はファンやメディアの厳しい環境にいた方が、力を発揮できる」と言ったが、それもこれも日本でファンやメディアの目が最も厳しい巨人で10年間もプレーした下地があればこそだろう。
そこへいくと、大谷は日本ハムからエンゼルスだ。メジャー球団を選ぶ際に最後の面談まで進んだ7球団のうち6球団は西地区。残るひとつは中地区のカブスで、東海岸はひとつもなかった。東海岸の球団の多くは常に勝利を求められ、ファンやメディアが厳しい。選手に見切りを付けるのも早いため、メジャーでも二刀流を貫くことが最優先だった大谷に敬遠されたともっぱらだった。