山本由伸に「300億円超」マネーゲームの重圧…「全30球団OK」で条件吊り上がり争奪戦過熱
精神的なタフさが不可欠
イチロー(現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)は、2014年に田中将大(現楽天)がヤンキースと7年総額約161億円で合意した際、「(ヤ軍が)どんなオファーを提示したか、というよりも、(田中が)このオファーを受けたことへの覚悟と自信に敬意が払われるべきだろう」と話した。
言うまでもなく、ヤンキースはメジャーを代表する人気球団。金額に見合うパフォーマンスを発揮できなければ、地元メディアやファンの反発を招くのは必至。イチローは田中に、その覚悟と自信があるなら敬意を払うと言いたかったのだろう。
例えば、井川慶は07年にヤンキースと移籍金を含む5年総額50億円超で契約したが、わずか2勝(4敗)に終わり、今でも「ヤ軍史上最悪の契約」の一つとして語り継がれている。
野球文化学会会長で名城大准教授の鈴村裕輔氏がこう言った。
「山本が300億円を超える巨額契約を結べば、渡米1年目からエース級の働きが求められるだけでなく、奪三振数や1イニング当たりに許した走者を示すWHIPなど、細かな投球内容までシビアに見られます。特に東海岸の球団(ヤンキース、レッドソックス、フィリーズら)のメディアやファンは手厳しく、期待に背けば容赦のないブーイングを浴びせられます。山本には周囲の重圧をはねのけるだけの精神的なタフさが求められます」
契約の規模に比例して期待も膨れ上がるわけで、その分、プレッシャーも大きくなるということだ。