第100回箱根駅伝を早大OB渡辺康幸氏が読む “単勝1.1倍”王者駒大を追う「中穴」3校と「大穴」2校
第100回の記念大会を迎える2024年の箱根大学駅伝。昨年度の大学駅伝3冠を達成した駒大の実力が抜けており、今年も箱根駅伝の連覇で2季連続の「3冠」が濃厚とみられている。今回もテレビ中継の1号車で解説を務める早大OBの渡辺康幸氏(50=住友電工陸上部監督)は10年度に母校の監督として「3冠」を成し遂げている。渡辺氏が打倒駒大に燃える大学の戦略や見どころなどについて語った。
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「史上最強」といわれる駒大が優勝候補の大本命であることに異論はありません。往路・復路とも選手層が厚く、篠原倖太朗(3年)、鈴木芽吹(4年)、佐藤圭汰(2年)の3本柱は、国内でトップクラスの走力を有するゲームチェンジャーです。5区、6区の山登り、山下りの2年生2人(山川拓馬、伊藤蒼唯)にも不安はなし。今年の箱根4区から全日本の優勝まで1区間もトップを譲っておらず、死角はないと言っても過言ではないでしょう。競馬に例えれば単勝オッズ1.1倍といったところでしょうか。
篠原、鈴木、佐藤の3本柱を1区から3区までに投入して主導権を握れば、山登り、山下りもスペシャリストがいるし、復路のメンバーも強力ですから、ダントツの優勝候補も当然です。今年の出雲、全日本に続いて箱根は3区を走るであろう佐藤が先頭で襷を受ければ、その時点で優勝争いは終わってしまうかもしれません。
11月に1万メートルで日本人学生歴代2位の27分28秒50(U20日本新記録)をマークした佐藤は、20キロ以上の実戦経験がないことを懸念する声もありますが、前回の箱根を走れず、満を持して臨むスピードランナーです。その点は「問題なし」とみています。
とはいえ、「下克上」を狙う昨年の上位校、つまり中大、青学大、国学院大あたりは、はなから「2位狙い」というわけにはいきません。そのためにはなんとしても3区までに駒大の前に出たい。
注目すべきは9区と並ぶ最長の2区(23.1キロ)です。ケニアからの留学生がいるチームはここに彼らを配置してくるでしょう。駒大の鈴木が彼らの背中を追う展開になり、他校の後塵を拝することになったとき、本来の走りができるか。
序盤に駒大の前に出られるとしたら、28年ぶりの頂点を狙う中大かもしれません。
1区・吉居駿恭(2年)
2区・吉居大和(4年)
3区・中野翔太(4年)
4区・湯浅仁(4年)
この4人が100%の力を出し切り、駒大を慌てさせることができれば優勝争いは俄然おもしろくなります。