兄貴分の山本功児さんが一軍監督に就任してなければ、FAでロッテを退団していた
「三塁の開幕スタメンに本職じゃない選手を使って僕が外されたり、軽い扱いを受けています。はっきり言って、FA権を取るために今年頑張っているんです」
「ちょっと待て。これからいい環境になる。出るという選択肢だけじゃなくて、残るという選択肢も考えた方がいい」
■「なんで代打の準備をしていないんだ!」
詳しいことは教えてくれず、その時は意味が分からなかったが、その後、近藤監督の退任と山本功児二軍監督の一軍監督就任が発表された。その前の一軍打撃コーチ時代から、かわいがってもらっていた兄貴分の功児さんが監督になるなら、ロッテに残って恩を返そう。球団に認めてもらい、FA宣言をした上で残留を決めた。
それまでの功児さんは選手に寄り添ってくれるコーチで人柄も良かった。それが……。「立場は人を変える」というが、すぐにカッとする「瞬間湯沸かし器」になってしまった。私と堀幸一、諸積兼司らベテランをあえて怒ることで、チームを引き締めるという意図は分かってはいた。それでも、見せしめに怒られるのは嫌なものだった。