大関霧島、照ノ富士の休場で「看板」の期待も…ドツボにハマって遠のく綱取り
安定感のある相撲は一体どこへ……。
横綱照ノ富士の休場により、優勝争いが混沌としてきた3月場所。新入幕の尊富士が幕内でただ一人、全勝をキープ。幕内2場所目の大の里が1敗で追いかけ、大関陣も貴景勝、豊昇龍、琴ノ若の3人が2敗を守っている。
しかし、霧島(27)だけは2勝6敗の体たらく。昨17日も翔猿に先にまわしを与えてしまい、寄り切られた。
霧島は立ち合いの鋭い踏み込みと柔軟な取り口が持ち味。安定感があり、昨年11月場所で自身2度目、大関としては初の優勝を果たした。
親方のひとりは「相撲は心技体が重要だが」と、前置きし、こう続ける。
「今場所の霧島はその『心』の部分が欠けているように見える。小手先の相撲で立ち合いからまったく踏み込めておらず、上体だけで突っ張るから相手に圧力をかけられない。すべてが後手後手に回っている。初日の阿炎戦からして、そんな内容だった。所属する陸奥部屋は今場所限りの閉鎖が決まっているので、師匠の陸奥親方(元大関霧島)に恩返しをしたい気持ちが空回りしているのか……。序盤の負けを取り戻そうとするあまり、悪循環に陥っている印象です」