「強くなりたいのか」と殴られた…元横綱・柏戸が受けた理不尽と伊勢ケ浜部屋の対極

公開日: 更新日:

 九州場所は霧島の優勝で幕を閉じたが、熱海富士が2場所続けて千秋楽まで優勝争いに残った。初めて上位陣とひと通り当たる来場所次第では、次の大関候補にも名乗りを上げそうだ。

 伊勢ケ浜部屋にはほかに西前頭5枚目で9勝した翠富士ら5人の幕内力士がいて、幕下では入門6場所目の聖富士が優勝し、尊富士も新十両昇進を決めた。親方衆は「あの部屋の力士はみんな体がパンパンに張っている」「稽古の自信を持って取っている」と口をそろえる。

 ふた昔前の相撲部屋ほど朝は早くない。師匠の元横綱旭富士は密度を重視し、「量」だけ強調されるのは理論派として不本意だろうが、ともあれ結果は雄弁だ。

 元横綱柏戸の鏡山親方から生前、若い頃の話を聞いた。稽古休みの日に、四股だけでもと土俵へ降りていたら、げんこつが飛んできたという。

「麻雀をしていた兄弟子に、『おまえ、強くなりたいのか』って殴られたんだよ」

 幸い柏戸は出世が早かった。部屋頭になれば存分に稽古ができる。好敵手・大鵬との出会いもあった。そうでなかったら古株たちに取り込まれたかもしれない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇