大谷が苦手克服、結果に表れた「劇的変化」…ナ・リーグ三冠王獲得なら1937年以来の快挙
ところが、1番を打つようになったことで、後続の打者のためにも投手に球数を投げさせる必要が出てきた。ロバーツ監督からは再三、ボールを見極めろと言われていたものの、嫌でもボールを見極めざるを得なくなった。
実際、初球から打ちにいかないケースが増えている。大谷がこれまでメジャーで放った194本塁打のうち、最も多いのは初球をとらえた43本。79本までが2球目までに仕留めたものだが、1番を打つようになってからの6試合で放った4本塁打のうち3本は3球目、1本は4球目をとらえたもの。「ストライクゾーンを把握できている」と本人が言うように、ボールをきちんと見極め、確率の高い打撃ができているということだ。
もちろん、指名打者として打つことに専念している点は大きい。「二刀流」が看板の選手が、今季は右肘手術明けで打者に専念せざるを得ない。投手と打者、両方の調整をしながらシーズンを戦うのが常だが、投手としての調整はリハビリくらい。時間のほとんどを打者に費やせる。
大谷の月ごとの本塁打数をみると、9月が19本で最も少ない。次いで少ないのが8月の28本。例年8、9月にペースダウンするのは、投手もやっているがゆえの疲労が原因だ。