レジェンドが徹底解説!男子体操エース橋本大輝が抱える「唯一の懸念材料」と新星・岡慎之助の潜在能力とは
最年少の岡慎之助選手(20)にも期待がかかりますが、ここでも中国の壁が立ちはだかりそうです。岡が金を狙う種目別平行棒ですが、中国には平行棒のスペシャリスト、鄒敬園選手がいる。東京五輪では驚異の16点台を叩き出して金メダルを獲得。今回も完成度に磨きをかけて五輪に臨むでしょう。
岡はセンスがあるのに加え、基礎がしっかりとできている「内村航平タイプ」。着地がキレイなところ、技の正確性が高いところが似ている。演技に汚さがなく丁寧。内村くんも基礎をしっかりと固めて、高校2年生ごろから急に優勝するようになって目立つようになった。地道に基礎を積み上げていたから、ジュニアの中では埋もれていたんです。2年前に右膝前十字靱帯断裂を経験してからの復活。以前から「天才」といわれていたんですが、肝心なところでケガをして代表になれずにいた。ようやくかなった大舞台でどんな演技を見せてくれるか注目です。(【男子団体&女子編】につづく)
◇ ◇ ◇
▽池谷幸雄(いけたに・ゆきお) 1970年、東京都府中市出身。1988年、18歳でソウル五輪に出場し、団体総合で銅、ゆかで銅を獲得。92年のバルセロナ五輪では団体総合で銅、ゆかで銀。現役引退後はタレント活動のほか、体操教室を設立。東京五輪で銅を獲得した村上茉愛がかつて所属していた。現在は全日本ジュニア体操クラブ連盟専務理事として後進の育成に力を注ぐかたわら、プロゴルファーを目指す。