3連勝発進の横綱照ノ富士 どれだけ満身創痍で引退危機が囁かれても「年内は安泰」
先場所優勝で大関候補の関脇大の里が1勝2敗と精彩を欠く中、存在感を発揮しているのが、横綱照ノ富士だ。
昨16日の3日目は若元春を寄り切って3連勝。当たりが強く、鋭い踏み込みで攻める姿を見ると、古傷を抱える腰や両膝の状態は悪くないのだろう。
2日目、苦手の明生を倒した際に、「相手云々じゃなく、自分の体との闘い」と話していた。大関以下、飛びぬけた存在がいないうえに、大の里も連敗発進とイマイチ。体さえ万全なら、このまま勝ち続けてもおかしくない。
角界周辺では、「これでしばらく横綱の地位は安泰だろう」との声が聞かれる。昨年の皆勤はわずか1場所のみ。今年初場所で4場所ぶりの優勝を果たしたものの、相次ぐ故障で2場所連続の途中休場となった。
引退危機が囁かれる一方で、日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会は、照ノ富士に対してあくまで“寛容”だ。
山内昌之委員長は5月場所終了後、照ノ富士が全休しなかったことも考慮し、「7月、9月の2場所まで、ケガの回復具合や土俵復帰について横綱の執念と責任感を見る。激励、注意、引退勧告に当てはまるものではない」と話したうえで、進退についてはあくまで横綱に委ねる方針を示した。