ドラフト上位候補の野手に《利き腕の肘の故障説》急浮上!水面下ではスカウトたちが情報戦
「良い選手ですよ。打撃も守備もいいし。じゃあドラフトで指名するか? うーん、それは……」
あるセのスカウトがこう言って口を濁すのが、今大会に出場したドラフト候補の野手だ。
かねてからプロの評価は高く、プロ志望届を提出した場合は上位指名間違いなし、ともっぱら。
ではなぜ、指名を躊躇するのか。冒頭のスカウトが「実は……」と、こう続ける。
「利き腕のヒジを故障しているのではないか、というウワサがあるんです。もし、それが本当ならば指名して即手術、となりかねない。指名のリスク自体が高いので、今は事実かウワサか、ウラがないか情報を集めながら様子見するしかないんです。ただ、春先の打席と比べると、今大会はフォームや積極性がイマイチ。本当にケガをしている可能性はある。いずれにせよ、ケガをしているかどうかは確定ではないし、本人もまだ進路を決めていない。進学するならまだしも、プロ志望届を提出した場合は注意して情報を集めないといけない選手です」
偽のケガ情報を流し、ドラフトでライバル球団から手を引かせる……という裏工作もこの世界では日常茶飯事。虚偽実々のスカウト合戦はすでに始まっている。