著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大准教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部准教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

大谷3度目MVPに「50-50」は不可欠…MLB打者の理想像は《走攻守のいずれでも活躍する選手》

公開日: 更新日:

 大リーグ史上6人目の40本塁打と40盗塁を達成した大谷翔平ドジャース)には、これまで誰も実現できなかった「50-50」を達成することが期待されている。

 それとともに、史上2人目の両リーグでのMVPの獲得も現実味を帯びてきた。両リーグMVPの最初の達成者であるフランク・ロビンソンはレッズからオリオールズに移籍した1966年に2度目のMVPとなっているものの、2年連続での獲得ではなかった(1度目は1961年)。

 従って、移籍初年度に加え、2年連続でのMVPとなれば、その価値はますます高まることになる。

 一方、今季のMVPについて大谷の名前が挙がることに懐疑的な意見もある。代表的な論者は昨季までメッツの監督だったバック・ショーウォルターだ。

 スポーツ専門誌「スポーツ・イラストレーテッド」の取材に答えたショーウォルターが、大谷ではなくフランシスコ・リンドア(メッツ)に言及し、打撃だけでなく守備でも勝利に貢献していることはMVPにふさわしいと指摘している。

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