全勝途切れた大の里 唯一の敗因は「隙とも呼べない隙」…大関昇進目安は持ち越しへ
無敗の大の里(24)にまさかの土がついた。
昨19日の9月場所十二日目の相手は若隆景。立ち合いのもろ手突きから左おっつけを駆使し、あっという間に土俵際に追い詰めた。この時点で勝負あり--と思ったファンは多かったはずだ。
しかし、若隆景にもろ差しを許すと、徐々に後退。力づくで突き落とそうとするが、それでも相手は落ちない。最後は若隆景を徳俵まで追い込みながら、土壇場で体を入れ替えられ、寄り切られた。
これで初日からの連勝は「11」でストップ。あと1勝で届くはずだった3場所33勝の大関昇進目安も、翌日以降に持ち越しとなった。
苦戦した初日の熱海富士戦以降は、圧倒的な相撲で相手を粉砕してきた大の里。敗因は何だったのか。
若手親方は「隙やミスなどと呼ぶのも可哀想ですが……」と、こう続ける。
「敗因はただ1つ、腰がやや高かったことです。腰が普段より高いがゆえに押しや左おっつけの威力が半減。それでも押し込もうとし、さらに腰が伸びてしまった。若隆景は低い姿勢で相手のふところに潜り込むのが上手く、優勝経験もある実力者。腰高を見逃してくれるほど、甘い力士じゃなかったということです。これが並の力士相手だったら、多少腰が上がろうが最初の攻めで勝負が決まっていたでしょう。大の里は11日目も普段より腰が高かった。疲労なのか、それとも大関とりの重圧なのか……」