《斉藤和巳の巻》助っ人外国人の信頼も勝ち得ていた絶対的エース
斉藤和巳
当時のホークスで誰もが認めるエースといえば、現在四軍監督を務める斉藤和巳(46)です。杉内俊哉や和田毅らエースと呼ばれた投手たちも、「どうやったら和巳さんを追い越せるんだろうか」と常に考えていたほどです。
南京都高校から1995年ドラフト1位で入団当時は、いかにもな「ヤンチャ坊主」。ポテンシャルはありましたが、身体能力に任せて、ただ投げているだけ。そんな和巳が変わったのは、現監督の小久保裕紀の影響が大きかった。
98年に小久保と和巳はいずれも右肩を米国で手術。術後、リハビリに励む小久保の姿を目の当たりにして、和巳は「俺はこのままじゃダメだ」と痛感し、野球に対する姿勢が急激に変わりました。小久保に心酔するようになり、2人でヒーローインタビューを受けた時は明らかに舞い上がっていたほどです。
負けん気の強さは人一倍。やはり気の強い西武の石井貴と投げ合っていた時は圧巻でした。打者を打ち取った和巳が西武ベンチに向かって「しゃあ!」と挑発すれば、石井も同様に抑えた時は、ホークスベンチに向かって「おらあ!」と叫ぶ。まさに意地と意地とのぶつかり合いでした。