《工藤公康の巻》人気トレーニング施設を「あれは嫌いだな」と言ったワケ
工藤公康
元監督の工藤公康さん(61)とは、工藤さんがダイエーで現役だった頃からの付き合いです。
当時、打撃投手だった僕はウマが合うのか「一郎、一郎」と可愛がってもらいました。工藤さんが下の名前で他人を呼ぶことは珍しいようで、年下の広報に「田尻さん、工藤さんに一郎って呼ばれてるんですか?」と驚かれたこともある(笑)。
東京遠征で翌日の試合がナイターの時は「明日、朝9時半、ホテルのフロント集合ね」と言われ、僕が「何かあるんですか?」と聞くと、工藤さんはひと言、「パチンコ」(笑)。
ひとしきりパチンコを打つと、今度は「ステーキ食いに行くぞ。他にも誰か呼ぼうよ」となり、若手投手を呼んで水道橋から六本木まで行ったのも、楽しい思い出です。
そうした遊びもよくしましたが、工藤さんは野球においては自分にも他人にも厳しい人です。監督就任1年目の2015年の優勝は、前任の秋山幸二さんが育てた選手たちの活躍が大きかったのは事実です。でも、その年のオフは「投手陣の練習が足りない」と、自ら練習メニュー作成に案を出し、投手陣を徹底的に鍛え上げた。当時の秋季キャンプは投手が早めに上がり、野手が最後まで練習をしていましたが、工藤さんの改革後は逆転したほどです。