試合途中にトレード、1日に異なる2球団で安打を放った 大リーグ唯一の「珍・怪」記録
この日、ヤングブラッドが異なるユニホームを着て安打を記録した相手投手は、どちらも超大物として知られている。カブス戦は通算284勝のファーガソン・ジェンキンス、フィリーズ戦は通算329勝のスティーブ・カールトン。これも「珍」と「怪」を合わせた記録に重みを加えた。
1日に2球団で安打をマークしたこの大リーグ唯一の出来事は、もちろん裏面史に堂々と明記されている。中西部のシカゴから東海岸のフィラデルフィアは時差1時間。地図で見ると右へ2時間、時計では3時間ほどの飛行だった。試合が昼と夜だったことからこんな芸当ができたのである。
「この記録は永久に破られないさ」
そう言ったヤングブラッドは、個性派選手で渡り鳥のように移籍を繰り返した。76年にレッズでメジャーデビューし、翌年はカージナルスとメッツでプレー。エクスポズ在籍は2カ月ほどで83年にジャイアンツに移り、89年に戻ったレッズで引退した。
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