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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

日本陸連の呆れた体質…競歩・池田向希の「濡れ衣ドーピング処分」にまるで他人事

公開日: 更新日:

 ドーピングで騒がしい。

 テニスでは世界ランク1位、全豪オープン覇者のヤニック・シナーの処分をめぐり選手会が割れている。競歩の池田向希の処分確定はより身近で深刻だ。

 東京五輪の銀メダリストは昨年、世界陸連(WA)の監視機関AIUから資格停止処分4年を通告された。所属の旭化成と申し立てていた処分取り消しが、このほど却下された。理由は、ヘモグロビン数値が血液ドーピングを暗示(indicative)……世界で最も美しい歩形と評される選手が、推定だけでロス五輪を目指せない。

 マラソン、競歩、自転車といった持久種目では酸素を運搬する赤血球(ヘモグロビン)は重要だ。血液ドーピングは、血液を冷凍保存し再投入する戦前からの手法で死亡例が出て禁止された。1980年代にEPO(エリスロポエチン)など禁止薬物の検査が厳格化され、高地トレーニングが注目された。

 エチオピア、ケニアの選手は海抜2500メートルで生活する。酸素の薄い高地で合宿して低地で勝負……コロラドを拠点にした小出マジックが有森裕子、高橋尚子らを世に送り出した。合法だが費用がかかる。いまは低酸素室トレーニングが登場し、箱根駅伝の各校が活用している。

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