今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した
僕が小学生の野球少年だった頃、PL学園の桑田真澄さん(元巨人)と清原和博さん(元西武)が甲子園で大活躍した。7学年上の2人に強い憧れがあったのだ。あの時は純粋にPLで野球をするんだ! と周囲を説得したものの、その決意はすぐに吹き飛び、激しく後悔することになる。
まず1年生は野球どころではない。全寮制のため、最初に面食らったのは野球部専用の「研志寮」での寮生活だ。新入部員の大半がこれで挫折する。数え切れないルールの一端を紹介する。
1~3年生の8人部屋。6時に起床すると、外に出て体操と素振りから一日が始まる。これだけなら普通だが、1年生はその前に先輩のユニホームを洗濯し、きれいに畳んで枕元に置いておかないといけない。そして先輩を起こすのだが、目覚まし時計を鳴らすのは禁止。起床時間の前に先輩の目を覚まさせてはいけないからだ。寝坊が恐ろしくて、眠りが浅くなり、4時から5時の間には自然と目が覚めてしまう。
洗濯機の取り合いが深夜までかかるため、1年時はほとんど寝る時間がないと言っても過言ではない。ただ、睡眠が足りない分は、昼間の授業中に爆睡して稼いだ。