司法も腐敗…殺人が無罪になるドミニカ球界の無法地帯ぶり
その後、腕利きの弁護士を雇ったサイモンは「拳銃を空に向かってバンバンやって新年を祝っていたら暴発して近くにいたいとこが死んでいた」と無罪を主張。この言い分が認められて彼は無罪放免になり、そのままメジャーリーグで投げ続けた。
同様に1973年には当時アストロズの主砲だったシーザー・セデーニョが、ドミニカに帰国中、モーテルで19歳の愛人を射殺し現行犯で逮捕された。雇った腕利きの弁護士が「ピストルを持ってふざけている時に暴発し、気が付いたら彼女が倒れていた」と主張。それが本当だとしても、最低でも過失致死罪と銃器不法所持罪には問われそうなものだが、各方面にカネをたっぷり使ったようで、無罪放免になり、その後13年間、メジャーでプレーし続けた。
昨年10月にはドミニカに帰国中のミゲール・サノー(ツインズ)が午前3時まで飲んだ後、ナンバープレートのないトラックを無免許で運転して帰宅しようとしたところ、呼び止めた警察官と口論になりトラックで逃走。その際、トラックの車体に当たって警察官が足を骨折する重傷を負った。そのためサノーは逮捕、拘留されたが、各方面への工作が功を奏したとみえて、よもやの起訴猶予になり、裁判にすらかけられずに今季もツインズで活躍している。