ドミニカ共和国の大リーガー育成システムに漆黒の闇
メジャーリーグでは現在、85人のドミニカ人選手が活躍しており、同国の野球熱の高さは、日本でも度々報じられている。
しかし、テレビなどで語られるのは表面の部分だけで、裏面からは漆黒の闇が見えてくる。
ドミニカ共和国の野球選手育成システムは独特だ。グラブさえ買ってやれない貧困家庭が多いため、野球少年たちは11~13歳で学校をドロップアウト。ブスコンと呼ばれる有望選手育成業者が運営する施設で、食事と用具を支給されながら野球漬けの生活を送ることになる。ここで、鍛えられた野球少年はメジャーリーグと契約が可能になる16歳の誕生日が来ると、各球団の入団テストを受け、16歳か17歳でプロ入りする。契約金は大半が数千ドルから数万ドル程度である。しかし、抜きんでた才能がある者は、13歳ないし14歳くらいからスカウトたちに注目され、16歳になってすぐに100万ドルを超す契約金でプロ入り、というコースをたどる。ブスコンは契約金の25~50%を持っていくので、契約金が100万ドルを超す有望株を多数、育成できれば大いに潤うことになる。
■社会の最底辺に組み込まれる