「昭和芸能史 傑物列伝」鴨下信一著

公開日: 更新日:

<美空ひばりと国民栄誉賞>

 テレビ界の大御所が、国民栄誉賞を贈られた往年の大スターたちの足跡をたどり、その芸の本質を考察した芸能本。

 平成元年に亡くなった美空ひばりの国民栄誉賞受賞が決まったとき「生前にあげておけばよかったのに、申し訳なかったと、日本人皆がいっているような感じだった」と述懐。なぜならこれほどいじめられた人もいないからだという。

 少女歌手時代に人気がありながら嫌悪された理由、そして家族への非難を彼女に転化する世間の背後にあった戦争の名残などを考察する一方で、人々を魅了したその歌声の秘密などにも言及。昭和の歌姫の人生に戦後の日本人の意識の変遷を重ねる。

 その他、長谷川一夫、森繁久弥ら5人を取り上げる。
(文藝春秋 790円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    中日1位・高橋宏斗 白米敷き詰めた2リットルタッパー弁当

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  5. 5

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  1. 6

    悠仁さま「学校選抜型推薦」合格発表は早ければ12月に…本命は東大か筑波大か、それとも?

  2. 7

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 8

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 9

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  5. 10

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議