「誘蛾灯 鳥取連続不審死事件」青木理著
■男たちを狂わせた肥満ホステス
09年に発覚した鳥取連続不審死事件の闇に迫るルポルタージュ。
詐欺や窃盗の他、2件の強盗殺人で起訴された上田美由紀の周辺では、04年以降、起訴された事件以外にも4人の男性が不審死を遂げていた。死んだ男たちは、全員、彼女がホステスとして働いていたスナックの常連客だった。新聞記者や刑事らが職や妻子を捨て、ぶよぶよに肥満し、誰とでも寝て、5人も子供がいた被告になぜ魅せられ、破滅していったのか。かつて被告が働いていたスナックに通い、仕事仲間や元同棲相手、死んだ男たちの関係者を取材。そして拘置所の被告本人とも面会を重ねながら、その素顔と事件の背景を明らかにしていく。
(講談社 1600円)