【大人のためのオトナ本】雑学編 お酒の世界を究める
■「酒場詩人・吉田類の旅と酒場俳句」吉田類著
テレビでお馴染みの著者による俳句エッセー集。酒場で出会った人や料理を詠むのが「酒場俳句」。例えば有楽町のガード下、闇市の雰囲気が残る飲食街の「ミルクワンタン」が評判の店で一句「ワンタン喰ふ春や乳房の舌触り」。もつ焼き屋のカウンターで酒を楽しむうら若き女性に魅せられ「美女酔うて色なき風に吐息のせ」など。
「このところ、俳句人口はものすごく増えているんですよ。酒場俳句をすれば、お酒の世界ももっと楽しく、精神的にも豊かになれると思います。江戸時代から、酒と俳句は相性がいいものなんです」(吉田氏)
酒場の達人でもある氏による酒場にまつわるエッセーやオススメの酒場俳句向きの店も紹介。いつもの酒や酒場の新たな魅力に気づかせてくれる、それが酒場俳句だ。
(KADOKAWA 1400円)