「芸者でGO!」山本幸久著
大学受験の失敗と失恋が重なった晴子は、女を磨こうと芸者になる。それから1年、弐々(にに)の名でお座敷に出る晴子は、今日は元看護師の茂蘭姐さんらとバスツアーの宴席に呼ばれる。バスガイドのいとこ・秀子が持ち込んできた仕事だ。女将の計らいで三味線と唄を任された晴子は、本番前に芸に厳しい茂蘭から練習ぶりを褒められ、うれしい。しかし、いざ客を前にすると今までになく緊張してしまう。さらに、年寄りばかりのツアー客の中に、なぜか元恋人の姿があった。(「よりを戻して」)
八王子の置き屋「夢民」に在籍する5人の個性豊かな芸者たちを主人公にした連作小説集。
(実業之日本社 1500円)