第6回角川春樹小説賞受賞 鳴神響一氏に聞く

公開日: 更新日:

 時は元文、8代将軍吉宗と御三家筆頭の尾張徳川家藩主・宗春の確執が深まる中、尾張徳川家に仕える甲賀忍びの雪野はある命を受ける。吉宗ら幕府の動きを探るため、長崎丸山で遊女・満汐となり、諜報活動を行う密命だ。

「雪野はもともと武家の娘という設定なので、現代の感覚からいったら過酷な運命です。それでも大きな目的のために自分を抑え、感情を押し殺し、務めにいそしむ。彼女の生きざまは毅然としていますが、実は情熱的な女なんです」

 出島の遊郭に潜入した満汐は阿蘭陀から来た医師・ヘンドリックと出会い、引かれあう。

「江戸時代でも異文化交流は行われていました。優秀な幕閣や商人、長崎の遊女あたりはヨーロッパ諸国の事情に精通していたり。我々の想像以上に昔から世界はつながっていたという記録も残っています。異文化交流というテーマを据えると、時代小説の世界観は広がりますから、今後も挑戦していきたいです」

 熱烈なフラメンコファン。そのあたりも今後の作品で異文化交流の要素として登場させる可能性もあり?

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動