「心の病が職場を潰す」岩波明著
うつ病などの精神疾患を患う人のためのものではなく、患者の周囲にいる人のための本書。近年、日本の職場には精神疾患によって勤務に支障を来す人が増えている。そして、長引く不況で人員がギリギリまで減らされているため、休んでいる人の仕事のフォローなど、その他の人の負担が非常に大きくなっている。何カ月も続くようだと職場は疲弊し、“いっそ辞めてくれれば新しい人員が補充できるのに……”という声も増えてくるだろう。
本書では、精神科医の著者が職場に蔓延する各種の精神疾患について詳しく解説。そして、これらが発症しやすい職場環境についても触れたのち、休職から復職に至るまでのモデルケースについても紹介している。
企業人は必読だ。
(新潮社 760円+税)