「サッカー界の巨大な闇」ブレット・フォレスト著、堤理華訳
スペインリーグ時代の八百長疑惑により、わずか半年で解任となったサッカー日本代表監督のアギーレ氏。しかしこのような八百長問題は、現代のサッカー界では珍しいことではなくなっている。
ブレット・フォレスト著、堤理華訳「サッカー界の巨大な闇」では、国際サッカー連盟の初代保安部長や、数多くの八百長試合を演出した仕掛け人への徹底取材を敢行。賭博市場として巨大化したサッカー界の暗部に斬り込んでいる。
現在、捜査が進められているサッカー界の八百長問題は、世界60カ国にも及ぶ。各国警察と連携するインターポールの試算では、毎年1兆ドルがサッカーの試合に賭けられているというから驚きだ。
2011~12年に発覚したイタリアの八百長スキャンダルでは、15のサッカークラブと24人の選手やコーチが八百長に加担していたことが明るみに出た。アフリカサッカー連盟では八百長疑惑に基づき、ジンバブエ代表を含む80人を出場停止処分にした。韓国では八百長に絡んで57人が起訴され、選手2人が自殺する事態となった。このような事例は、世界中に広がっているのだ。